エロマニ EROMANI 手軽で抜けるエロゲーレビュー
懺悔室のひみつごと(ここな工房)のカバービジュアル
  • SLG
#シスター#退廃/背徳/インモラル#初体験#ラブラブ/あまあま#パイズリ#中出し

懺悔室のひみつごと

“格子越しに口元だけが見える構図で全部持っていく。駆け引きの皮をかぶった数値上げには最初から期待しないこと”

総合 2.6 凡作
  • 抜き度 ×4 4 /5

    実用性。エロの密度・抜けるか

  • ゲーム性 ×4 1 /5

    システムの手応え・作業感

  • やりやすさ ×1 3 /5

    難しすぎず遊びやすいか

推せる点

  • 懺悔室の窓に切り取られた構図が秀逸。顔が見えないぶん、返事の震えと言葉選びから向こうの表情を想像させられる
  • 親愛度が上がると窓の向こうから胸を差し出してくる。清楚な格好のまま一線を越えていく段取りに背徳感がある
  • Hシーンは Live2D で動く。数は多くないが、660円から想像する水準は明確に超えてくる
  • 選択肢のカードに親愛度と信用度の増減が最初から書いてある。信用度を落としても詰まないので、取り返しのつかない操作が存在しない
  • タイトル画面のフリーモードからHシーンへ直行できる。後から追加されたエピローグもそこで見られる

気になる点

  • 親愛度と信用度は駆け引きの形をしているだけ。信用度が0でもゲームオーバーにならず、行動回数が尽きてもそのまま懺悔室に行けるので、制限がどれも効いていない
  • 選択肢ごとの返事は一言で終わり、そこから会話が伸びない。同じ選択肢を押して数字を積む時間が作業になる
  • ボイスが無く、Hシーンの細かい表情変化も乏しい。想像で補う前提の薄さがある
  • 音量を調整する項目が見当たらないなど、設定周りが素っ気ない

疲れた顔で歩いていたら、教会のシスターに「懺悔室を使いませんか」と声をかけられる。平和な街だから懺悔室に来る人などおらず、あの子は暇を持て余している——導入はそれだけだ。夜、格子の向こうに座るシスターと言葉を交わし、親愛度を積んで、二人だけの秘密を重ねていく。ここな工房の660円、CGはすべてLive2D。やることは本当にこれだけで、余計なものは何も乗っていない。

抜き度 — 4 / 5

懺悔室という箱の使い方がとにかく上手い。会話の間、画面の中央に見えているのは小さな窓に切り取られた範囲だけで、シスターの顔は口元から上が見えない。表情が読めないぶん、返事の震えや言葉の選び方から向こうの顔を想像することになる。この「見えない」が効いていて、親愛度が上がって窓の向こうから胸を差し出してくるころには、こちらの温度は十分に上がっている。神に告解するための箱を、二人だけの隠れ場所として使い潰していく感覚こそが、この作品のいちばんのごちそうだ。

Hシーンは Live2D で動く。本編で解放できるのは三つ——後の更新でエピローグが一つ足された——という規模で、枚数を誇る作品ではない。それでも一つひとつの動きは値段から想像するより上等で、清楚な格好のまま窓越しに段階を踏んで崩れていく絵は、シチュエーションの強度だけできちんと持っていってくれる。

不満が無いわけではない。ボイスは無く、Hシーンの表情変化も細かくはない。声が無いぶん想像で補う作りだと割り切れば気にならないが、同じ構図が続く時間は正直ある。シチュエーションに乗れるかどうかが全てで、乗れたなら660円でここまで来るのは十分すぎる。乗れなければ、ただ短いだけの作品で終わる。

ゲーム性 — 1 / 5

仕組みは単純だ。画面の左上にハートの親愛度と、警告マークの信用度が2本並び、その下に「行動回数」が出ている。懺悔室では「相手を気遣う」「相談する」「世間話をする」といった選択肢から一つを選ぶ。そして選択肢のカードには、それを押したら親愛度と信用度がどれだけ動くかが、△と▽の数で最初から書いてある。

つまり、探る余地が無い。親愛度を大きく伸ばす選択肢は信用度を削る、というトレードオフの形はあるのだが、その信用度が0まで落ちても、ゲームオーバーになることはない。街に出たときにシスターに怒られるだけだ(その怒り顔は他で見る機会が無いので、一度は落としてみる価値がある)。行動回数が尽きても、そのまま懺悔室へ行ける。制限として置かれているものが、どれ一つ制限として働いていない。

やっているのは、昼は街に出て、出られなくなったら懺悔室に行き、カードに書かれた数字の大きい選択肢を押す——このループの繰り返しになる。選択肢ごとにシスターは一言返してくれるが、そこから会話が伸びていくわけでもない。ゲームとしての手応えを探しに行くと何も見つからないので、ここは1点以外に付けようがない。駆け引きの皮をかぶった、Hシーン解放までのカウンターだと思ったほうがいい。

やりやすさ — 3 / 5

迷う場面は無い。選択肢の効果は押す前から見えているし、右上には常に「遊び方」と「タイトルへ」が置いてある。信用度を落としても詰まないので、取り返しのつかない操作というものが存在しない。タイトル画面のフリーモードからHシーンへ直接入れるのもありがたく、後から追加されたエピローグもそこから鑑賞できる。気楽に開けて気楽に閉じられる作りではある。

引いたのは二つ。一つは、同じ選択肢を押して数字を積むだけの時間が挟まること。会話の中身が変わらないので、解放までの道のりは決して長くないのに作業に感じてしまう。もう一つは設定周りの素っ気なさで、音量を調整する項目すら見当たらない。軽さは本物だが、快適さを積極的に作りに来ているタイプではない。

総評

懺悔室でシスターと秘密を作る。看板に書いてあることは、660円でちゃんと出てくる。格子越しに口元だけが見える構図と、そこから少しずつ踏み越えていく手順は、この題材が好きなら間違いなく効く。DLsite 平均★4.02(929件)という数字も、だいたいそのへんの納得のされ方だろう。

ただし、ゲームを期待して買うものではない。親愛度と信用度は駆け引きの形をしているだけで、実際には何もこちらを縛ってこない。この作品の価値はシチュエーションに全部乗っていて、システムはその邪魔をしない程度に置いてあるだけだ。

シスターが好きで、懺悔室という密室に惹かれるなら、660円で買って損はしない。逆に、遊びごたえや物語、ボイスの厚みを求めているなら、ここには何も無い。刺さる人には深く刺さり、そうでない人には何も残らない——そういう一品。抜き度4/ゲーム性1/やりやすさ3。

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