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冷たい目をした黒瀬さんは、僕の言うことだけは何でも聞く
“絵と声が好みならそれで足りる。逆に言うと、それ以外に押してくるものが何も無いLive2D従順もの”
推せる点
- 黒瀬和子の造形が強い。ウルフカット・外さないマスク・大量のピアス・冷たい目と、記号が全部同じ方向を向いていて、絵柄が刺されば持っていかれる
- フルボイスのASMR。低いトーンと吐息が耳元で鳴り、Live2Dの動きと噛み合って「目の前にいる」感触は価格以上に出る
- 「ストーリー」と「ハメ撮り」で入口が分かれている。抜きたいだけの日に話を頭から通さなくていいのは楽
- 1,430円で体験版あり。刺さるかどうかが絵と声で決まる作品なので、事前に確かめられるのは大きい
気になる点
- ゲームらしい要素が無い。ストアの「SYSTEM」欄すら遊び方ではなくプレイ内容の並びで、選んで積み上げる余地がほぼ無い
- プレイの幅が狭い。フェラ・両穴・キスハメ・お掃除と一通りは並ぶが、そこから先に伸びず、一周で見えるものが尽きる
- 最初から最後まで「言いなり」の一本調子。堕とす過程も抵抗の揺れも無いので、シチュの強度が途中で頭打ちになる
- 音声版が別売り(【音声Ver】990円)。ASMR目当てで入ると結局もう一本買うことになる
- 日中同時展開ぶんの粗さがある。ストア説明の日本語からして中国語表記が混じっている(「濃厚な物语」等)
学校中から怖がられている冷たい目の幼馴染・黒瀬和子が、僕の言うことだけは何でも聞く——タイトルがそのまま企画書になっている、ASMR×Live2Dのシミュレーション。狙いは一点だけで、寄り道が一切無い。DLsite平均★4.37(230件)と数字は高いが、実際に触ってみると押し上げているのは絵と声で、それ以外はほとんど手つかずだ。絵が好きな人なら好き、というのがいちばん正確な言い方になる。
抜き度 — 3 / 5
ここは素直に良い。マスクを下ろさせたまま咥えさせる絵、首輪、青い目だけがこちらを見上げてくる構図——「冷たい顔のまま従っている」という一枚の絵に必要なものが全部載っている。Live2Dはよく動くし、フルボイスの低いトーンと吐息が耳元で鳴るので、イヤホンを挿した瞬間の距離感は1,430円の想定を超えてくる。絵柄が好みに刺さるなら、それだけで元は取れる。
ただ、そこから先が伸びない。用意されているのはフェラチオ、後背位での両穴、キスをしながらの連続絶頂、舌での後始末——一通りは並ぶが、一通りで終わる。しかも黒瀬さんは最初から言いなりで、堕とす過程も、抵抗が揺れる瞬間も無い。従順ものとしては筋が通っているが、同じ温度が最後まで続くので、途中から刺激が上積みされなくなる。良い絵を良い声で見せてくれる、そこで止まっている。抜けるかと言われれば抜ける。何度も戻ってくるかと言われると、そこまでの厚みは無い。3が妥当なところ。
ゲーム性 — 1 / 5
無い。擁護のしようが無い。モードは「ストーリー」と「ハメ撮り」の2つで、前者は関係の経緯を追い、後者はスマホで撮影しながら自分の手で攻める。それだけだ。選択で分岐するわけでも、何かを積み上げるわけでも、失敗するわけでもない。ストアが「SYSTEM」と題して載せている欄が、システムの説明ではなくプレイ内容の並びになっているのが、この作品のゲーム部分を何より正直に表している。仕組みとして語れるものが最初から無い。
これは欠陥というより割り切りで、ASMR作家がLive2Dで一本作ったらこうなる、という形そのままではある。実際、その割り切りのおかげで絵と声に予算が寄っているのも分かる。ただ評価軸として測るなら、ここは最低点以外に付けようがない。ゲームを遊びに行くと、何も起きないまま終わる。
やりやすさ — 3 / 5
つまずく所は無い。815MBのアプリケーションを入れて起動すれば始まるし、操作もクリック中心で迷いようがない。難易度も攻略情報も無縁で、日本語と中国語のテキストに対応している。そして何より体験版がある——刺さるかどうかが絵と声だけで決まる作品なので、買う前に自分の耳と目で確かめられるのはかなり実質的な親切だ。
一方で、加点する材料も特に無い。ASMRが売りである以上イヤホンは実質必須で、環境は選ぶ。ASMR部分だけが欲しい人向けには【音声Ver】が990円で別に出ているが、裏を返せばこの本編を買っても音声作品ぶんは付いてこない。日本語まわりの詰めも甘く、ストア説明の時点で中国語の字が混じったままになっている(「濃厚な物语」)。手軽ではあるが、この規模の作品なら手軽なのは当たり前で、そこを褒めても仕方がない。可も不可も無い3。
総評
3・1・3。ゲームは何もしていないし、エロも一通り並べたところで止まっている。それでも、冷たい目をしたまま言いなりになる黒瀬さんという一枚の絵を、動く形と生の声で見せてくれる——買う理由はそこに全部集約されている。★4.37という数字も、作品の完成度というより絵と声への支持として読むのが実態に近いと思う。
体験版が用意されているのは、そういう作品だと作り手も分かっているからだろう。判断は自分の目でやるのがいちばん早い。だから勧め方も一つしかない——サンプルを見て黒瀬さんの絵が好きなら買っていい。ピンと来なければ何も残らない。